公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター事業の一環としての「市川房枝女性の政治参画基金」は、女性が民主的ガバナンスの担い手となるために、女性の政治参画の推進につながる女性団体・個人の活動や調査研究等への助成を行うものです。
当センターの創始者市川房枝(1893-1981)は婦人参政権運動に生涯を貫きました。
1953年参議院議員に初当選以来、歳費・手当の増加分を当センターに寄託し、この寄託金は1975年に公職選挙法が改正されるまで積み立てられました。1983年3月末、総額は2000万円となり、議員を辞めた後は、これを女性の地位向上などに役立てたいと考えていました。1983年、その志を生かして2000万円で「市川房枝基金」を創設。2010年に理想選挙推進市民の会から指定寄付1400万円をいただきました。2011年度から名称を「市川房枝女性の政治参画基金」と改称しました。
【結果】第41回市川房枝女性の政治参画基金助成対象決定(2団体)
<2023年9月15日締切、11月15日発表>
●認定NPO法人 開発教育協会(代表理事・湯本浩之氏)/助成金額35万円
【活動内容】本団体は、国際教育NGOや国連関係団体、地域の市民団体等と教育関係者等の個人で構成される教育NGO。「参加」を重視した開発教育活動を目指し、作成教材は50種類を超える。教育現場で影響力を持つ教師等が、自らのジェンダーバイアスに気づき、ジェンダー平等が目指せるよう、教育関係者や研修・講座実施企業等の指導者向け教材の作成・発行を行う。
【助成理由】 日本のジェンダーギャップ指数が低い中、わが国の喫緊の課題である女性の政治参加を促進するためには、ジェンダー平等教育が重要だが、適切な教材や研修が不足している。教育実践者自身がジェンダーバイアスに気づき、意識を変えていく必要に着目し、教材の作成・発行や普及・活用を通して意識改革を試みる取り組みは極めて重要。一般市民も活用できる点も評価できるため、一部であるが、助成を決定した。
【助成金の範囲】教材作成費用のうち、レイアウト・印刷製本費用の一部として。
●別姓訴訟を支える会(代表・福沢恵子氏)/助成金額15万円
【活動内容】本会は選択的夫婦別姓制度の実現のため結成された市民団体で、2018年に始まった第2次別姓訴訟を契機に活動を開始。2024年2月頃に第3次別姓訴訟を提訴予定。提訴前から、裁判情報の発信など特に動画配信を通して、これまでアプローチできなかった若い世代を巻き込み、第3次別姓訴訟で違憲判決を得られるように活動を進める。
【助成理由】選択的夫婦別姓制度は、法務大臣諮問機関の法制審議会が導入を答申して既に四半世紀が経過した現在も実現せず、国連女性差別撤廃委員会が日本政府に対し、夫婦同姓を強制する現行制度改定を促す勧告を再三発出している深刻なテーマであり、選択的夫婦別姓制度の法制化は、重要かつ喫緊の課題。第3次別姓訴訟で違憲判決を得ることは、選択的夫婦別姓制度の実現に極めて重要な役割を果たすため、一部であるが、助成を決定した。
【助成金の範囲】第3次別姓訴訟に関わる動画配信費用の一部として。
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