カテゴリ:連続講座



2022連続講座「タイフーンショット計画 ~台風を脅威から恵に~」講師:筆保(ふでやす)弘徳さん(横浜国立大学台風科学技術研究センター長)
2022年度 · 2022/09/10
 台風による人的被害(死者・不明人数)は、5,000人を越えた伊勢湾台風(1959年)の後、急減した。しかし、保険金支払額として表される経済的被害は、近年の台風の激甚化に伴って急増している。すでに1960年代からアメリカによるハリケーン制御の試みはあったが、うまくいかないまま凍結された。日本では、伊勢湾台風の後、災害対策基本法(1961年)が制定され、そこには「台風に対する人為的調節」が挙げられていた。とはいえ、国としての本格的な施策は、昨年(2021年)の台風科学技術研究センター設置であり、ようやく産官学の協働による技術開発が動き始めた。

2022連続講座「パンデミック監視資本主義 ―デジタル庁とマイナンバーの行方」講師:小笠原みどりさん(ジャーナリスト、社会学者、カナダ・ビクトリア大学教員)
2022年度 · 2022/07/09
今年度連続講座「政治を揺り動かすーひとりひとりの「当たり前」を実現できる社会へ」第3回が小笠原みどりさんを講師に迎え、実施された。 小笠原さんは、ジャーナリストで、デジタル監視社会の研究者。アメリカ国家安全保障局による世界監視システムを告発したエドワード・スノーデンに日本人ジャーナリストとして初めてインタビューしたことで知られ、民間企業と連携した政府の個人情報収集システムに警鐘を鳴らす。2021年よりカナダのビクトリア大学社会学部で教鞭を取っており、一時帰国のタイミングで本講座の講師に迎えることができた。

2022連続講座「産科暴力と女性の身体権」講師:早乙女智子さん((公財)ルイ・パストゥール医学研究センター主任協力研究員、産婦人科医)
2022年度 · 2022/06/11
女性は「物」として「消費」され、性交歴や妊娠歴などで分断されやすいが、女性の身体がわいせつなのではなく、見る人の目がわいせつなのだ。多様な性を便宜上、男女に分けてきたに過ぎないにもかかわらず、性指向、性自認、性表現など性の多様性が、女性の中に十分には落とし込まれていない。女性の身体に起こる妊娠、出産、流産、避妊、不妊、中絶、性感染症についての理解も足りない。

2022連続講座「政治教育とシティズンシップ」講師:小玉重夫さん(東京大学大学院教授)
2022年度 · 2022/05/14
古代ギリシアに遡る「市民(シティズン)」という概念は、単に「都市の住民」にとどまらず、「政治に参加する人」であり、なおかつ、専門家に対する素人(アマチュア)という意味でもある。つまり、民主主義においては専門家に意思決定を任せないことが肝要であり、そのために市民を育てる学校教育が求められる。

2021連続講座「原発推進政策と原発反対運動の50年」講師:菅井益郎さん(国学院大学名誉教授・市民エネルギー研究所研究員)
2021年度 · 2022/03/12
足尾銅山の公害問題を告発した田中正造は「デンキ開ケテ、世見暗夜となれり・・・質あり文なし、知あり徳なきに苦しむなり」と日記に書いた。同様に、原子力発電の技術進歩も、それを制御する倫理観を欠く。あるいは「鉱山は一時なり、農業は永久なり」「金は一時、放射能は末代まで」という言葉も、この50年を振り返って痛感する。

2021連続講座「遺族の悲しみとグリーフケア」講師:若林一美さん(ちいさな風の会 世話人代表)
2021年度 · 2022/02/19
 女性としての生き方を探る中で、「死」をテーマとして学び始めたのは、妻・娘・嫁による看病が当然とされる状況において、がん治療の最前線を取材したことが大きなきっかけだった。欧米では、すでに1960年代、「死を拒絶する社会」への問題提起から、様々な分野において死生観の再構築が進められていた。しかし、日本では、まだ「病名告知の是非」が最大の関心事であり、ホスピスもほとんど知られてはいなかった。

2021連続講座「『ヤングケアラー』を知っていますか? -藤沢市調査から見えてきた課題と支援の今後について-」講師:竹村雅夫さん(NPO法人ポトピ副理事長・藤沢市議会議員)
2021年度 · 2022/01/15
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行なっている18歳未満の子どもを「ヤングケアラー」と呼ぶ。ケアの対象は、障がいや病気のある親、祖父母、あるいは、きょうだいの場合もみられる。子どもの年齢に不釣り合いなケアの役割や責任を担うことは、心身の発達や学習、人間関係などに影響し、それが進学、就職、結婚などの人生設計にまで及ぶ。「美談」では済まない。

2021連続講座「子ども・子育て支援の課題 ―海外の動向をふまえて」講師:池本美香さん(日本総合研究所調査部上席主任研究員)
2021年度 · 2021/12/11
2020年の出生数は過去最低の84万人、合計特殊出生率は1.34と少子化の進行は止まらない。共働き等世帯の比率は2000年頃から急上昇し、未就学児の育児をしている女性の都道府県別有業率は、都市部で60%前後だが、地域によっては80%台にまで達する。小中学校における就学援助率の高止まりは、見えにくい子どもの貧困が現れている。

2021連続講座「性暴力:その後を生きる」講師:中島幸子さん(NPO法人レジリエンス代表)
2021年度 · 2021/11/13
中島さんはNPO法人レジリエンス(後述)の代表を務め、暴力・トラウマについて各地で研修や講演を行っている。 初めに、“星さん(☆さん)”という言葉を紹介する。「サバイバー・被害者」には偏見やレッテル貼りが伴うからで、一人一人が異なる自分らしさ“輝き”を持っている存在として捉えている。性暴力の被害者には女性が多いが、それだけではない(例:子どもへのDVやいじめにも)。加害者の多くは知っている人、身近な人で、家族内でも起こっている。性暴力は犯罪である。しかし、正確な統計として上がってこない。

2021連続講座「性暴力防止政策の課題」講師:戒能民江さん(お茶の水女子大学名誉教授、性暴力禁止法ネットワーク共同代表)
2021年度 · 2021/10/09
日本には、そもそも「性暴力」の定義がない。明治刑法(1907年)を踏襲した現在の刑法における「性犯罪」の範囲は狭く、ストーカー規制法をはじめとする特別法がいくつか制定されてきたとはいえ、性暴力が「包括的な対応が必要な社会問題」として位置づけられていない。性暴力が横行するのは、男性優位の性規範が社会構造に組み込まれているからである。

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