カテゴリ:連続講座



2022連続講座「司法におけるジェンダー平等がなぜ重要なのか?」石田京子さん(早稲田大学大学院法務研究科教授)
2022年度 · 2023/01/14
司法界のジェンダー平等は、グローバルな課題になっている。例えば、ジェンダー平等に関するOECD(経済協力開発機構)報告書(2018年)では、司法へのアクセスにおけるジェンダー平等が指摘されている。  日本国憲法に定められた三権分立は、司法を「少数者の保護」「憲法の番人」として位置づける。法制度に対するジェンダーの視点は、当然とされるルールは誰が作っているのか、そのルールによって苦しんでいる人はいないだろうかという「批判」の視点を持つことを意味する。

2022連続講座「消費税率25%に国民が納得している国の主権者意識」鈴木賢志さん(明治大学国際日本学部教授・学部長、 一般社団法人スウェーデン社会研究所 代表理事・所長)
2022年度 · 2022/12/10
北欧諸国は、高福祉高負担の福祉国家として知られている。スウェーデンの消費税の特徴は軽減税率が広く認められていることである。一般消費税は25%であるが、食料品は12%、文化事業は6%、医療サービスや福祉サービスは0%となっている。相続税を廃止する際には、国民がセーフティネットを信頼していることもあり、議論はほとんど起きなかった。

2022連続講座「コロナ禍における 男女共同参画センターの役割」谷口年江さん(特定非営利活動法人全国女性会館協議会常任理事)
2022年度 · 2022/11/12
各地の男女共同参画センター/女性センター(以下女性センター)は、コロナ禍を生きる女性を支援するために、どのような事業を展開した/いるのだろうか、また何ができていないのか−。全国の女性センターの多くが参加する「全国女性会館協議会」(市川房枝記念会女性と政治センターも会員)は、会員館を対象にコロナ禍による管理運営や事業への影響調査(2020年度)、困難な状況にある女性への対応及び事業に関するアンケート調査(21年度)を実施した。講師の谷口さんは静岡市女性会館アイセル館長でこの調査実施の中心メンバーである。

2022連続講座「ジェンダーからみる日本列島の歴史 1800年の旅」横山百合子さん(国立歴史民俗博物館名誉教授)
2022年度 · 2022/10/15
2020年10月〜12月に国立歴史博物館(歴博)で「性差(ジェンダー)の日本史」展が開かれた。大変好評で若い人たちが多く訪れたことでも注目された。本講座はその成果を踏まえ、政治的側面に焦点を絞りジェンダーの視点から1800年に渡る壮大な日本歴史の旅へと、私たちを誘(いざな)うものであった。

2022連続講座「タイフーンショット計画 ~台風を脅威から恵に~」講師:筆保(ふでやす)弘徳さん(横浜国立大学台風科学技術研究センター長)
2022年度 · 2022/09/10
 台風による人的被害(死者・不明人数)は、5,000人を越えた伊勢湾台風(1959年)の後、急減した。しかし、保険金支払額として表される経済的被害は、近年の台風の激甚化に伴って急増している。すでに1960年代からアメリカによるハリケーン制御の試みはあったが、うまくいかないまま凍結された。日本では、伊勢湾台風の後、災害対策基本法(1961年)が制定され、そこには「台風に対する人為的調節」が挙げられていた。とはいえ、国としての本格的な施策は、昨年(2021年)の台風科学技術研究センター設置であり、ようやく産官学の協働による技術開発が動き始めた。

2022連続講座「パンデミック監視資本主義 ―デジタル庁とマイナンバーの行方」講師:小笠原みどりさん(ジャーナリスト、社会学者、カナダ・ビクトリア大学教員)
2022年度 · 2022/07/09
今年度連続講座「政治を揺り動かすーひとりひとりの「当たり前」を実現できる社会へ」第3回が小笠原みどりさんを講師に迎え、実施された。 小笠原さんは、ジャーナリストで、デジタル監視社会の研究者。アメリカ国家安全保障局による世界監視システムを告発したエドワード・スノーデンに日本人ジャーナリストとして初めてインタビューしたことで知られ、民間企業と連携した政府の個人情報収集システムに警鐘を鳴らす。2021年よりカナダのビクトリア大学社会学部で教鞭を取っており、一時帰国のタイミングで本講座の講師に迎えることができた。

2022連続講座「産科暴力と女性の身体権」講師:早乙女智子さん((公財)ルイ・パストゥール医学研究センター主任協力研究員、産婦人科医)
2022年度 · 2022/06/11
女性は「物」として「消費」され、性交歴や妊娠歴などで分断されやすいが、女性の身体がわいせつなのではなく、見る人の目がわいせつなのだ。多様な性を便宜上、男女に分けてきたに過ぎないにもかかわらず、性指向、性自認、性表現など性の多様性が、女性の中に十分には落とし込まれていない。女性の身体に起こる妊娠、出産、流産、避妊、不妊、中絶、性感染症についての理解も足りない。

2022連続講座「政治教育とシティズンシップ」講師:小玉重夫さん(東京大学大学院教授)
2022年度 · 2022/05/14
古代ギリシアに遡る「市民(シティズン)」という概念は、単に「都市の住民」にとどまらず、「政治に参加する人」であり、なおかつ、専門家に対する素人(アマチュア)という意味でもある。つまり、民主主義においては専門家に意思決定を任せないことが肝要であり、そのために市民を育てる学校教育が求められる。

2021連続講座「原発推進政策と原発反対運動の50年」講師:菅井益郎さん(国学院大学名誉教授・市民エネルギー研究所研究員)
2021年度 · 2022/03/12
足尾銅山の公害問題を告発した田中正造は「デンキ開ケテ、世見暗夜となれり・・・質あり文なし、知あり徳なきに苦しむなり」と日記に書いた。同様に、原子力発電の技術進歩も、それを制御する倫理観を欠く。あるいは「鉱山は一時なり、農業は永久なり」「金は一時、放射能は末代まで」という言葉も、この50年を振り返って痛感する。

2021連続講座「遺族の悲しみとグリーフケア」講師:若林一美さん(ちいさな風の会 世話人代表)
2021年度 · 2022/02/19
 女性としての生き方を探る中で、「死」をテーマとして学び始めたのは、妻・娘・嫁による看病が当然とされる状況において、がん治療の最前線を取材したことが大きなきっかけだった。欧米では、すでに1960年代、「死を拒絶する社会」への問題提起から、様々な分野において死生観の再構築が進められていた。しかし、日本では、まだ「病名告知の是非」が最大の関心事であり、ホスピスもほとんど知られてはいなかった。

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