<世界の食料安全保障>
これまで世界的な食料危機は10年に1度くらい発生しており、その原因として、異常気象、人口増加と経済成長、バイオ燃料需要の拡大、先物市場の投機資金増大、輸入超大国となった中国の動向などが挙げられる。
2020年以降のパンデミック(新型コロナウィルス感染症)は新たな危機をもたらした。世界的なサプライチェーンが混乱し、とりわけ低所得国では飢餓人口が急増した。さらに、ウクライナ紛争(2022年2月〜)は主要な食料輸出国同士の戦争であり、安価な小麦の輸入に頼る低・中所得国に深刻な影響を及ぼしている。東アフリカの干魃もある。