2021連続講座「『ヤングケアラー』を知っていますか? -藤沢市調査から見えてきた課題と支援の今後について-」講師:竹村雅夫さん(NPO法人ポトピ副理事長・藤沢市議会議員)
2021年度 · 2022/01/15
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行なっている18歳未満の子どもを「ヤングケアラー」と呼ぶ。ケアの対象は、障がいや病気のある親、祖父母、あるいは、きょうだいの場合もみられる。子どもの年齢に不釣り合いなケアの役割や責任を担うことは、心身の発達や学習、人間関係などに影響し、それが進学、就職、結婚などの人生設計にまで及ぶ。「美談」では済まない。

2021連続講座「子ども・子育て支援の課題 ―海外の動向をふまえて」講師:池本美香さん(日本総合研究所調査部上席主任研究員)
2021年度 · 2021/12/11
2020年の出生数は過去最低の84万人、合計特殊出生率は1.34と少子化の進行は止まらない。共働き等世帯の比率は2000年頃から急上昇し、未就学児の育児をしている女性の都道府県別有業率は、都市部で60%前後だが、地域によっては80%台にまで達する。小中学校における就学援助率の高止まりは、見えにくい子どもの貧困が現れている。

維持員のつどい記念講演「女性参政権75周年を迎えてさらなる飛躍を~婦選運動から候補者均等法まで」三浦まりさん(上智大学法学部教授)
2021年度 · 2021/11/15
今回の衆院選は、女性参政権75周年という節目の年にもかかわらず、女性議員の数が減ってしまったという残念な結果になった。衆議院の女性議員割合が9.9%から9.7%に、47人から45人にと2人減。一方、参議院は過去2回はかなり良く約23%。世界平均の25%に手の届くところまで来ている。

2021連続講座「性暴力:その後を生きる」講師:中島幸子さん(NPO法人レジリエンス代表)
2021年度 · 2021/11/13
中島さんはNPO法人レジリエンス(後述)の代表を務め、暴力・トラウマについて各地で研修や講演を行っている。 初めに、“星さん(☆さん)”という言葉を紹介する。「サバイバー・被害者」には偏見やレッテル貼りが伴うからで、一人一人が異なる自分らしさ“輝き”を持っている存在として捉えている。性暴力の被害者には女性が多いが、それだけではない(例:子どもへのDVやいじめにも)。加害者の多くは知っている人、身近な人で、家族内でも起こっている。性暴力は犯罪である。しかし、正確な統計として上がってこない。

2021連続講座「性暴力防止政策の課題」講師:戒能民江さん(お茶の水女子大学名誉教授、性暴力禁止法ネットワーク共同代表)
2021年度 · 2021/10/09
日本には、そもそも「性暴力」の定義がない。明治刑法(1907年)を踏襲した現在の刑法における「性犯罪」の範囲は狭く、ストーカー規制法をはじめとする特別法がいくつか制定されてきたとはいえ、性暴力が「包括的な対応が必要な社会問題」として位置づけられていない。性暴力が横行するのは、男性優位の性規範が社会構造に組み込まれているからである。

2021連続講座「“健常者・男性”中心社会を問う障害女性からの視座」講師:瀬山紀子さん
2021年度 · 2021/09/11
障害を持つ女性当事者からの発言に重きを置くDPI女性障害者ネットワークのメンバーである瀬山氏は、長年、介助に従事しつつ(障害者自立生活センターの登録介助者)、ジェンダー視点に立つ障害学・介助者学を大学の非常勤講師や客員研究員としても発信している。

2021連続講座「大災害の時代に私たちはどう備えるべきか?」講師:加藤孝明さん(東京大学 生産技術研究所教授・社会科学研究所特任教授)
2021年度 · 2021/07/10
災害が頻発する中で、対策や対応が進んでいる側面もあるとはいえ、避難所の不足や劣悪な環境、行き渡らない救援物資、車避難によるエコノミー症候群など、同じ問題が繰り返されている。経験・教訓が蓄積されないのは、「リアリティ」のある災害状況像を前提としていないからではないか。例えば、「すべての被災者の屋内避難」を防災担当大臣が指示しても、避難所は溢れてしまい、不可能なことは明らかだ。

2021連続講座「生殖技術の発達とリプロダクティブ・ライツ」講師:長沖暁子さん(慶應義塾大学講師)
2021年度 · 2021/06/12
【不妊治療の低い成功率】 「不妊」とは、学会の定義によれば「妊娠を希望し、1年妊娠しない場合」だが、結婚年齢の上昇を背景に、1年を経過せずに治療に入ることも多い。男女どちらが原因でも、あるいは原因不明であっても、不妊治療は女性に大きな身体的な負担を強いる。しかも、成功率がきわめて低い事実が知られていない(1回の体外受精では3.7%、最初に採取して凍結した卵を使う胚凍結によって24.1%)。そのため、当事者たちも周囲も過度に期待するが、毎月、結果が出てしまうため、精神的な負担は計り知れない。にもかかわらず、不妊治療への保険適用という少子化対策は、経済的な側面のみの支援にとどまる。また、そもそも「不妊治療」と言うものの、これは病気の治療ではなく生殖技術なので、不妊を受け入れない限り決心がつかず、不妊治療を止めることが難しい。

2021連続講座「女性の権利を国際基準に!〜個人通報制度が使えたら」講師:浅倉むつ子さん(早稲田大学名誉教授・女性差別撤廃条約実現アクション共同代表)
2021年度 · 2021/05/08
 世界経済フォーラムによる日本のジェンダーギャップ指数は、世界156カ国中120位(2021年)にとどまり、とりわけ政治分野が劣る。それは有償労働と無償労働のジェンダー格差が大きいという日本社会の特徴を反映する。しかも、コロナ危機は女性により大きな打撃を与えており、コロナ後の世界を見据えて「ジェンダー平等」を実現していかなければならない。

2020連続講座「川崎市ヘイト罰則条例に学ぶ『差別は犯罪』を広めるために」講師:石橋学さん(神奈川新聞社川崎総局編集委員)
2020年度 · 2021/03/13
2019年12月、全国で初めて川崎市でヘイト罰則条例が制定された。この条例によってヘイトスピーチを「刑事罰」で規制することが可能となった。石橋さんは神奈川新聞社川崎総局編集委員で、ヘイトデモとそれに反対する市民運動について報道し、著書・共著に『ヘイトデモをとめた街 川崎・桜本の人びと』『時代の正体 権力はかくも暴走する』などがある。この条例を、国の法律に先んじて外国にルーツをもつ市民に対する差別的言動を犯罪と定め「自治体が差別撤廃の前面に立つという人権行政の歴史的転換」と位置付ける。講演では同新聞の記事や動画・音声を用いて、在日コリアンに対する人権侵害と被害者の切実な声と運動とを伝えた。

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