· 

記念講演「性暴力から見る これからのフェミニズム」北原みのりさん(作家)

創立57周年記念維持員のつどい〜玄関タイル改修工事完成・『女性展望』創刊700号記念〜

 2019年の初めに性暴力に関して無罪判決が4件続いた。これに対して北原さんは4月にフラワーデモを呼びかけた。参加した女性たちは絞るような声で、被害を次々に訴え、デモは各地に広まっていった。北原さんは1996年に女性たちが自由に主体的に性と向き合えるよう女性向けアダルトグッズストアを開店している。その前史には、1989年女子高生コンクリート詰め殺人事件、1991年「慰安婦」問題、2013年橋下発言があった。

 

 フラワーデモの花は「あなたと一緒にいる」というメッセージであり、#Me Too, #With You に繋がる。韓国では挺対協〔現略称、正義連〕が性暴力にあった女性たちに寄り添い、その声を聞いている。それは長い時間をかけて若者たちに伝わっていった(日本では希望のたね基金が発足)。日本で性暴力に抗して実名で声をあげた伊藤詩織さん〔19年12月東京地裁で勝訴〕は、18年に元「慰安婦」の金福童(キム・ボットン)さん(19年没)に会う。「いつになったら泣かずに……?」の問いに、金さんは「死ぬまで」と、さらに「話すことにより社会は変えられる。傷は消えないが」と答えたという。

 

 北原さんは、性暴力は普遍的な人権の問題であることを強調した。あいちトリエンナーレの平和の少女像についても表現の自由と女性の人権との観点から論じた。日本の近代は女性が中心から排除され、モノ化され消費されてきたとし、歴史を記憶し、フェミニズムの、闘いの過程を女性がいかに語り直すか――私たちが痛みに鈍いことを指摘し、それを変えたいと述べて、韓国や中国の女性たちとどう繋がるかを問題提起した。

 

 なお、講演の初めに「小学3年生のとき、市川房枝没の報に接して、その生涯に感動して追悼学級新聞を作った」と語り、女性の友情(寄り添う)について竹中繁[朝日新聞女性記者1号]を支援した市川を例にあげた。(幸)