· 

子どもの人権を尊重した教育を!

1. 基調講演 主権者教育の現状と課題―議会・学校・市民活動の役割と連携―

林 紀行さん(日本大学法学部公共政策学科教授

1.主権者教育の現状と課題~議会・学校・市民運動の役割と連携~

講師の林 紀行氏は、早稲田大学マニュフェスト研究所に長らく籍をおかれ、現在は、日本大学法学部教授・早稲田大学デモクラシー創造研究所招聘研究員。

 

1)主権者教育の歴史と成果

  • 1890年 制限選挙では満25歳以上かつ直接国税を15円以上納税する男性に限られ、人口の1%でしかなかった。
  • 1945年 男女普通選挙により満20歳以上の男女となり、人口の50%に。2015年 公職選挙法改正により選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられ2016年の参議院選挙における有権者数は人口の80%を占めるに至った。
  • 2022年 高校の授業で「公共」がスタート。「身近な生活がどのように政治と繋がっているか」の事例として「松本工業高校の公共交通の充実を求める請願」や「静岡市の中学生による路上喫煙防止の請願」等が取り上げられている。     

*【請願権】は、憲法16条で保障されている基本的人権の一つである。権利の主体は何人もとされ、未成年者や外国人にも保障されており、「ただ単に自分の希望を伝える」だけではなく、誠実に処理すること」までが含まれる。したがって、地方議会では、請願者には発言の機会を保障し、処理状況はHP等で公開されている点に着目したい。

 

2)地方議会における主権者教育の現状(議会改革度調査2025)

早大デモクラシー研究所の調査によれば、全国の先進自治体では教育の一環として、子どもや若者を対象にした意見交換会や陳情・請願の提出が実践されており、まだ少数ではあるが、それらの意見が政策等に反映された好例もある。

 

*富士見市議会と埼玉県立富士見高校

2025年から富士見市議会と富士見高校では、協同事業として「富士見市議会出前講座」が行われ、主権者教育×探究活動発表会の「富士見高生の主張in富士見市議会」が議場で展開された。校内発表で優秀とされた6グループが「犯罪が起きないまちづくり」や「自立した生活ができる障がい福祉」をテーマに発表。議員との質疑・意見交換を通じて、政治参加への自身や実感を向上させ継続している。議場だけでなく、在校生ともオンラインで結び「若者参加型議会改革の実践」として評価されている。

 

*他にも、岡山県新見市議会、敦賀市議会などで「代議制民主主義」を理解する機会となるなど、まさに生きた主権者教育が各地で行われていることに注目したい。(鈴木規子)


2. 基調講演 自分と相手を大切にする方法を学ぶ 「『生きる』教育」

西岡加名恵さん(京都大学大学院教育学研究科教授

 

 

 「『生きる』教育」とは、子どもたちが直面する「人生の困難」を解決するために必要な知識を習得し、友だちとの真剣な話し合いを通じて自分と相手を大切にする価値観を形作っていく教育である。生野南小学校では、西澤哲先生や橋本和明先生の子ども虐待やトラウマの研究、辻由紀子さんの福祉の知見を生かしたカリキュラムを実施している。その結果、暴力が減少し、全国・学力状況調査も改善した。

 「荒れ」を立て直すために、よく事実を確認し、けんか両成敗や泣き寝入りをやめさせた。学校を安全・安心・愛情の場とし、人権教育を各学年で行い、「ことばの力」ー話し合う力を育てた。小3では、子どもの権利条約について学ぶ。各学年のワークは充実していて、京都大学大学院教育学研究科E.FORUM のホームページで見られる。

 他者との適切な距離を知り、権利を学び「受援力」を身に付け、アイデンティティを形成する。「幸せ」(Well-Being )な生き方を学ぶ。それは、こども基本法の基本理念に通ずる。

 今回の基調講演は一部ワークショップも取り入れて進められた。小3のプログラムを体験することで、「生きる教育」の知識を深めることができた。(伊藤正子)


3. 講演「こどもの心の声を聴くこどもアドボカシー  ~こどもの「ために」から、こどもと「ともに」~」 

川瀬信一さん(一般社団法人子どもの声からはじめよう 代表理事)

 

Coming soon



市川房枝政治参画フォーラム「子どもの人権を尊重した教育を!」

日時 2026年5月23日(土)10:00~16:20
会場

婦選会館<対面式>

(東京都渋谷区代々木2-21-11)

講師

▽講演

主権者教育の現状と課題―議会・学校・市民活動の役割と連携―
林 紀行さん(日本大学法学部公共政策学科教授)

▽基調講演

自分と相手を大切にする方法を学ぶ「『生きる』教育」

西岡加名恵さん(京都大学大学院教育学研究科教授)

▽ 講演

こどもの心の声を聴くこどもアドボカシー
~こどもの「ために」から、こどもと「ともに」~

川瀬信一さん(一般社団法人子どもの声からはじめよう 代表理事)

▽16:30~17:30 交流会(自由参加・要予約・茶菓代500円)

参加費

現職議員12,000円・現職議員以外5,000円

〈音声(CD)受講:1コマ3,000円+送料〉

※音声は林さんのみ、西岡さん・川瀬さんは資料受講(各)1000円となります。

定員 約40名(要予約、受付先着順)
申し込み方法 フォームメール、FAX、電話でお申し込みください。